周りは昇進するのに、自分だけ・・・~相談いただいた事例のご紹介

こんにちは

今日は、私が
キャリアコンサルタントとして
お受けした、
相談の例をご紹介します。

もちろん私には、職業上
守秘義務がありますので
個人が特定できるような情報については、
内容を一部変更しています。

それでもあえて、
相談の例をご紹介するのは
「こんなことをやっているのか」
「こんなことでも相談していいんだ」
と思っていただいて
キャリアコンサルティングに対する、
敷居を低くしたいからなんです。

キャリアコンサルティングって
どんなことをするの?という
イメージをつかんでいただければ
うれしいのですが。

相談者は、30代半ばの女性です。

職場は大手メーカーで
新卒からずっと勤めている彼女は
周囲の状況を見ても
会社の人事制度を見ても
3年ぐらい前から
そろそろ主任に昇格するもの
と思っていました。

しかし、なぜか…
後輩に追い抜かれていくのです。

自分では一生懸命に努力して
仕事も工夫しているつもりです。

彼女はなぜか分からず
とても悩み、いっそのこと、
会社を辞めてしまおうと思いました。

ずっと平社員の状態で、会社に居る。
後輩に追い抜かれる。
なぜ追い抜かれていくのか
自分は昇進しないのか、
分からない。
結婚もせず子供もいないのに、
仕事もうまくいっていない。

これが彼女を苦しめていました。
あまりに苦しいので
会社を去りたくなったのです。

彼女が相談に来たときは
眉間にも額にも、しわが寄っていて
悩みで疲れきった状態でした。

話を聴き始めた当初は
「もういいんです、
辞めて別のことをやるんです」
と言い続けていました。

でも本当にそうなら
相談には来ないですよね。

聴いているうちに
ほんとうの感情が出てきました。
彼女のくやしさ、無念さ、
虚しい気持ちなどを
受け止めながら、真剣に聴きました。

そういう感情を持ってもいいんだ
おかしくも、恥ずかしくもないんだ と
彼女に思ってもらうことが、大事です。

そうならないと
人間は、前を向けないようなのです。

そして1回目の50分という時間が
終わろうとする頃、彼女は
「いったい、何が悪いんだろう」
と言いました。

ここは重要なポイントで、彼女が
自分は何が足りなくて
主任になれなかったのかを
正面から見つめて知ろうとしたのです。
今まで彼女は
そこから目を逸らしてきました。

私は
「誰か信頼できる人に、打ち明けて
きいてみることはできますか?」
と聞きました。

彼女はしばらく考えて
「出来ます」と言いました。

「では、ちょっと
聞きづらいかもしれませんが
思い切って、聞いてみてください。
それで次回また、どうしたらいいか
一緒に考えましょう」
と私は言いました。

2回目の相談に来られた時は
彼女はだいぶ晴れ晴れとした
表情になっていました。

他部署の課長さんに
悩みを打ち明けて
自分に何が足りないのかを
聞いたとのことです。
信頼できる、いい方だったようです。

課長さんは、彼女が客観的に
どう見えるのかを、率直に
伝えてくれました。

彼女は
「自分は決して
そんなつもりはないんですが」
と言いつつも、確かにそうだ
自分にはそういうところがある
とうなずく部分もあったようです。

チームワークを考えて
行動しているというよりは
個人で動いたり、判断している
ことが多い、ということでした。
もっと同僚のことや
組織としての成長を考えることが
必要だったのです。

どうしたらいいのか
道筋が見えてきたので
彼女の気持ちは
かなり楽になっていました。

彼女がもっと
組織や全体のことを考えられるように
勉強したほうがいいことや
心がけることのアドバイスをして
彼女との相談を終わりました。

この例では
キャリアコンサルタントが
話を聴くことにより
彼女はいままで出すまいとして
抑えつけていた感情を出すことができ
それによって、
改めて前向きに考えることができました。

ところで

読んでくださっている方の中には
最初から私が
「誰かに相談して
なんで主任になれないのか
聞いてみたほうがいいですよ。」
と言うべきなんじゃないかと
思う方もいるかもしれません。
そんなこと
最初から分かり切ったことじゃないか、と。

でも、決して彼女は
聞き入れなかったでしょう。

彼女の場合は、誰かに
「今のあなたは別におかしくないですよ」と
認めてもらわなければ
前を向くことができなかったと思います。

それはなかなか
自分一人ではできないことです。

ぜひ相談に来てくださいね。
お待ちしています。

(あらた)


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